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MR(医薬情報担当者)と医師の関係について

2008年11月28日

 
 研修医や医学生の方々にとって、病院内でよく見かける製薬企業の担当者について、あまりコミュニケーションをとる機会は少なく、彼らがどういった人たちなのかを詳しく知っているという方はあまり多くないと思います。


・MRについて
 病院に訪問を行う製薬企業の担当者であるMR(Medica lRepresentative)は製薬企業等に属する医薬情報担当者であり、医師に正確な医薬品情報と医薬品副作用等の情報収集を主な業務とする人をいいます。医師は患者の症状を把握し、最適な医薬品の選択を行う処方権を有している唯一の存在です。そのため、医師は患者の治療において最も適正な医薬品を選択し処方する必要があり、MRからの情報を正確に把握し、判断する必要があります。


・医薬品の適正使用のためのMRの役割

 医薬品は患者に適正使用されて、治療において著しい効果を発揮する反面、誤った使用をしてしまうと患者に重篤な症状を引き起こしてしまう可能を持ち合わせています。医師は、患者に副作用を引き起こさせないために、日々患者の医薬品投与後の症状の経過を把握する事はもちろんのこと、他の患者に副作用を起こさないためにも、早急な副作用情報の提供をMRに行う必要があります。MRについてもそのような事態にならないために、情報提供を行う医薬品についての正確な情報と副作用事例について絶えず情報収集していく責任があります。


 そのためMRにも医師免許と同様に資格が必要となります。MRはかつてプロパーと呼ばれており、医師への過剰な接待や医師と相談しての価格設定など不透明な関係が問題とされておりました。そのため平成3年に価格設定は実際に流通を担当するMSの役割とし、プロパーの名称をMRに変更し、医薬品情報の提供のみを行うこととされました。そして平成9年よりは医師免許制と同様にMRについても認定制度を導入し、MRとして実際に活動していくには認定試験に合格することが必須となり、MRは総合的な医薬品に係わる専門職として位置づけられることになりました。

 
・医師とMRについて
 実際に医師はMRをどのように捉えているのでしょうか。左のグラフは文部科学省研究班(主任研究者;尾藤誠司氏[国立病院機構東京医療センター] )がMRとの関係について約1400人の医師に行ったアンケートの一部です。
 その結果を見ると約7割の医師がMRは生涯教育に必要な存在と回答を行っており、MRとのコミュニケーションが処方に悪影響があるかとの問いには約7割がそう思わないと回答しており、医師の大半はMRについて臨床技術を向上させるために重要であり、またMRとの会話だけで処方を決めるのではなく、そのMRからの情報を鑑みてより適切な処方に結び付けていく医師が多数を占める事が伺い知ることができます。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 MRは医薬品に係わる知識だけでなく、医療行政など各種医療分野の知識についても幅広く持ち合わせている人が数多くいます。若い頃から能力があり信頼の持てるMRとの関係を築きあげることで、患者の治療効果の最大化や医療安全の確保を目指し、自身のキャリアを築く上での良きパートナーにしていくことが医師と医薬品関連企業にとって望ましい関係なのかもしれません。

(川瀬 貴之)

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