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ママドクターインタビュー Vol.1

ママドクターインタビュー Vol.1

自分の意志ではどうにもならないことが……

 めでたく一人目のお子さんを授かった大西先生ですが、ここで思わぬ大敵が出現……。初めての挫折を経験することになったそうです。

 「それまではなんでも努力と気力と根性ですべてクリアできてきたのに、つわりの気怠さと吐き気だけは乗り切れませんでした。意志の力だけではどうにもならない。最初の挫折でしたね。それに、絶対守らなきゃいけないものができたわけですから、無理に仕事を優先して何かあってはいけないなと思って、生活のスタイルはだいぶ変わりました」

 想定外で制御不能だったというつわりを乗り越え、大学院を卒業したのは妊娠8ヵ月の頃で、5月にお子さんが誕生。つわりでできなかった分を取り返そうと、大学院での研究は4月下旬まで続けたそうですが、現在の職場でもある研究所は、産休して8月から勤務することになったそうです。このとき、保育園がなかなか見つからないという悩みもあったそうです。

 「毎日母に来てもらうわけにもいかないし、どうなっちゃうんだろうって。初めての子どもだったので、出産後にしか申し込めない認可保育園と違って認証保育園には産まれる前からエントリーしてキャンセル待ちができることも知らなかったんです。こういうことは、2人目、3人目と経験を積むにつれてわかってきたことでした」

 また、研究所への就職が内々定したあとで妊娠に気づいたため、勤務を開始した頃は肩身の狭い思いをしたそうです。

 「いきなり産休でしたから、大ひんしゅくだったと思います。引け目を感じていたので、周りからかけられる何気ない言葉も深読みしてしまって悩んだりしました。子供が熱を出したからどうしてもっていうときに同僚が助けてくれたり、定時で帰ったあとで病棟から携帯に電話がかかってきたりすると、『すごく迷惑かけてないかしら』と当時は必要以上に感じていました。今でも感じることはありますが、できるだけ引け目を感じなくてすむように、勤務時間中にできることは一生懸命こなして、頼まれたことで自分にできることはなるべく断らないで引き受ける努力をしています」

 このあと、先生はふたりのお子さんを出産しますが、いずれも、産後3ヵ月で職場に復帰。大変ではなかったんでしょうか。

 「今だと育児休業を1年とる先生もいらっしゃるようですが、3ヵ月は当時の産後の女医の産休・育休としては短くなかったんですね。学校の先生のように産休中は代理の方が来る制度があればいいんですけど、実際には自分が担当していた分の外来を、人数の少ない同僚たちが丸々カバーしてくれるわけですよね。業務が1.5倍ぐらいになる。完全に同僚におんぶにだっこですので、気兼ねもあって早く復帰しなきゃって思っていました。ただ、たった3ヶ月でも、復帰してカルテを書くときに一瞬スピードが鈍るんですよ。だから、仕事のカンが鈍くなる前に早く復帰してよかったとも思います。家にずっといるのが性に合わないこともあって、物理的には大変ですけど、性格的には早く復帰してよかったかな(笑)」