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ママドクターインタビュー Vol.3

ママドクターインタビュー Vol.3

復帰後すぐに忙しさがマックスに

 妊娠期間が楽しかったという先生ですが、大きな心配ごとのひとつが、やはり保育園問題だったそうです。

「抽選で運良く院内保育園に預けることができたんですが、保育園が決まるまでが、ものすごく不安でした。院内保育園は、出産するまでは予約することができなかったんです。患者さんの外来の予約も、講義の予定も入っているのに、どうして自分の保育園の予約はできないんだろうと思っていました。女性医師の復帰支援の面で、ちょっと改善の余地があると思います。できれば出産前から予約ができる体制を作ってほしいですね」

 そうして復帰した先生ですが、ブランクを解消する間もなく、いきなり待ち構えていたのが、ある医師主導治験の準備をするプロジェクトだったそうです。

「復帰してすぐに、2週間後のミーティングまでに50人分のカルテを見て、データを解析して、試験計画書を完成させてくださいというミッションがくだったんです(笑)。なんだか、ぼーっとしている暇はなく、いきなり叩き起こされたという感じでした」

 復帰早々、忙しさに追われることになった先生。保育時間が終わったお子さんを迎えに行き、仕事を続けていたそうです。

「まだ首が据わっていないので、首を支えるように抱っこして、カルテを見ながらデータを入力したり、解析したりして。自宅に帰ってからも、毎日明け方まで仕事をしていました」

 大変だったものの、プロジェクトのメンバーらに恵まれて、支え合いながら楽しく仕事ができたという先生。その後、この治験は無事に始められたそうです。ただ、この時期については、心残りもあるようです。

「研究者は、絶え間なく論文を出すことで評価されます。この時期、初めての育児と医師主導治験の立ち上げが重なったことで、論文の数が落ちてしまいました。また、大学院生の指導が行き届かなかったことは、今も後悔しています」

 ちなみに、出産前と同様に、いろいろな学会に出席していたそうで、ベビーカーにお子さんを乗せて、全力疾走で講演に向かったこともあったそうです。

「出産後の2年間に、皆様のご配慮で、国際学会でシンポジストや座長を務めさせていただいたり、国内の学会賞をもらったことが励みになりました。多くの方々の温かいお心遣いに感謝しています」

 また、授乳期だったお子さんをご実家に預けて向かったタイの国際学会では、思わぬ経験もされたそうです。

「子どもは生後3ヶ月で、最初は連れて行くつもりだったんですが、さすがに無謀だなと思ってひとりで出張したんです。4、5日しか行ってないんですが、胸がパンパンに張ってたいへんでした。ふだんの勤務のときは授乳に行けたので大丈夫だったんですけどね……」

 もしも、授乳期にお子さんを預けて出張に行こうという方がいたら、おすすめはできないそうです。さて、続いては、子育てや家事の面でのお話を伺ってみました。