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ママドクターインタビュー Vol.3

ママドクターインタビュー Vol.3

ご主人の言葉、お子さんの言葉が励みに

 大学院卒業後にぶつかった辛い時期を乗り越え、妊娠、出産、育児、さらには家事と仕事を両立してきた三澤先生。その間に、苦手だった人前でのスピーチも克服し、自信も持てるようになっていったそうです。

「講演など人前でしゃべる機会も増えて、少しずつ慣れていきました。人間って変われるんだと思いました。また、子育てはやっぱりすごく楽しいし、自分の自信にもつながっています。たとえば、仕事が間に合わなくて、子どもの前で『ああ、もうママダメだあ』と言ったときに『ママはダメじゃない! ママは世界でいちばんがんばってる』と言ってくれるんです。何のエビデンスもないけど、すごく励みになっています。私ががんばれる根底には私を育てながらずっと仕事を続けてきた母の後ろ姿があります。だから自分の子どもにも、がんばるおかあちゃんの姿が少しでも良い影響になるといいなと思います」

 そして、この間、ずっと心に抱いていたのが、ご主人からのあの言葉だったそうです。

「以前、夫に言われた『私のやっていることが誰かの役に立っているのか』ということを自分に問いかけながら、ずっと仕事をしてきました。今は患者さんの診療のほかに、論文や教育的な総説を書いたり、講演をしたり、大学院生・医学部生の指導をしたり、そういうことで少しずつですがやっと人の役に立てるようになってきた気がしています。私なりの自分の存在意義、自信につながってきているかな、と思います。夫はこの数年は私の仕事には口を出しません。きっととても我慢してくれているのだと思いますが、夫が私の仕事に理解を示し、協力してくれていることに、心から感謝しています。また、育児中であっても、以前と同じように仕事を任せてくださる上司と一緒にがんばってくれる同僚・後輩の存在もとてもありがたいです」

 周囲の方々、そしてご家族の支えと、先生の強い意志があったからこそ、両立できているんですね。最後に、読者の方へのメッセージをいただきました。まずは、女性医師たちと同僚として、またはパートナーとして接することになるかもしれない男性のみなさんへの言葉です。

「医師という仕事と育児の両立に関する問題を解決するには、女性だけに支援のフォーカスを絞るのではなく、支える側の労働環境の改善、男性の育児参加への理解の推進などが欠かせないと、私は考えます。『両立』を女性に特有の負の問題として扱うのではなく、医師のよりよい労働環境と家庭生活を考えるきっかけとして、前向きに解決する方法を、男性の方にも是非一緒に考えていただければと思います」

 続いて、これから三澤先生のようにママドクターを目指す女性のみなさんへ、先生からの熱い思いのこもったアドバイスです。

「ぜひ、仕事をあきらめないで、プロフェッショナルとしての誇りと責任感を持って、継続する道を探してください。育児と仕事の両立には大変さを感じるときもあると思います。もしも継続について迷ったときは、10年後、20年後の将来を考えてみてください。現在の仕事を大切にすることで、広がる未来の道があると思います。でも、いろいろな家庭環境などで続けにくいときもあるかもしれない。そんなときでも、待っている患者さんや同僚の顔を思い浮かべて、戻ってくる選択肢を大切にとっておいてください。必ず、道は開けると思います」